お楽しみ様です。
坂本です。
銀行や保険会社のような金融機関が飽和している中、
仮想通貨取引所は世界中で年間数十数百というスピードで増えてます。
・・・ドエライ数ですわ。
「仮想通貨取引所の運営側はメッチャ儲かる」のが
その理由であることはあなたのご想像の通りです。
しかし、ご想像以上であることも間違いありません。
本日はたまにご質問いただく「仮想通貨取引所の儲けのカラクリ」について解説します。
少し長いですが、超大事な内容ですので、最後までついてきてくださいね。
目次
仮想通貨取引所の4つの収入源
仮想通貨取引所の収入源は大きく「4つ」に分けられます。
わかり易いサブタイトルも付けたので想像し易いかも知れません。
①販売所型(スプレッド手数料でボロ儲け)
②取引所型(薄利多売で儲からないが投資家を集める)
③信用取引型(毎日ポジション手数料でボロ儲け)
④ノミ行為型(投資家の負けはそのまま取引所の利益)
では、それぞれのビジネスモデルについて見ていきましょう。
(知っているところは飛ばしてください)
①販売所型(スプレッド手数料でボロ儲け)
はい。
その名の通り
「取引所が持つ仮想通貨を販売、または買取するころで利鞘を稼ぐ」
ビジネスモデルです。
つまり「お店」ですな。
お店なので取引所と投資家の間で取引が行われます。
「質屋」を想像すると超わかり易いのですが、
販売価格と買取価格の差額(スプレッド)が取引所の儲けです。
国内の販売所で比較的手数料が安いと言われているGMOコインも
「2%」ほどのスプレッド手数料が発生します。
1BTC=130万円とすると、実際の購入価格は
130万円×1.02%で1,326,000円。
取引所は差額の26,000円を利益として得ることができます。
仮に月間100億円の売買があればスプレッド2%で2億円の利益。
・・・ボロ儲けですワ。
販売所のスプレッドは売買金額の2~3%程度が一般的ですが、
4~5%のスプレッドを設定している取引所もあります。
はい、では次に参りましょう。
②取引所型(薄利多売で儲からないが投資家を集める)
取引所型は「投資家同士の売買を成立させた手数料」で稼ぎます。
つまりマッチングを成功させた手数料です。
利率は先ほどの「①販売所型(スプレッド手数料でボロ儲け)」 よりも
かなり低めに設定され、相場は売買金額の「0.1%」。
販売所型では2%の利ザヤが稼げるのに取引所型では0.1%・・・
①販売所型では2%の利ザヤが稼げるのに
②取引所型では0.1%・・・
「販売所型よりも圧倒的に儲けが薄い」
けど、超大事なコトです。
そもそも取引所って「取引をする投資家」が集まらなければ成り立たない商売。
これはビジネスの基本のキですよね。
つまり、1回の取引の儲けは少ないとしても
投資家(客)を呼び込むことが何よりも重要で、
薄利多売であってもの投資家を必死に集めるのです。
居酒屋が安いランチで「料理の味」「店の雰囲気」を知ってもらい、
夜の営業時間にシッカリ回収するのと似ていますな。
(どうシッカリ回収するのかは次の③④をお待ちください。)
中には「0%以下」の手数料を設定して
投資家を囲い込もうとする取引所もあります。
Zaifは売買手数料をマイナス手数料(-0.01%)にして
売買の毎にユーザーに還元していましたな。
つまり手数料は
● 投資家にとっては魅力のひとつであり
● 取引所にとっては社運が掛かっている
といっても過言ではないのです。
ここまではご理解いただけたでしょうか?
では次に参りましょう。
③信用取引型(毎日ポジション手数料でボロ儲け)
売買手数料にはもう一つの儲けのカラクリがあります。
それが「信用取引」です。
信用取引は自分の残高を担保に元手以上の取引ができる「ありがたい仕組み」で、
FXユーザーにはお馴染みの「レバレッジ取引」のこと。
当然、取引所はその対価として
売買手数料とは別に「ポジション料率」という手数料を上乗せし、
これが取引所の利益になります。
一般的なポジション手数料は0.04%~です。
しかし、ポジション料率の怖いところは、
「一日ごとに手数料を取られる」点。
仮に
・ビットコインが1BTC=130万円
・レバレッジが5倍
・信用取引で1週間持つとしたら
130万円×レバレッジ5倍×0.04%×7日で18,200円
のポジション手数料が発生します。
はい、この18,200円が取引所の利益です。
加えて先ほどの投資家同士の売買を成立させた
「②取引所型(薄利多売で儲からないが投資家を集める)」
も発生し、これも取引所の利益になります。
現在はOTC取引も盛んになり、
販売所で売買する投資家が減っているので、
信用取引が盛んな取引所であればあるほど利益が大きいのです。
OTC取引について知らない方はこちらをご覧ください。
そうそう。
ヤフーが出資している仮想通貨取引所「TAOTAO」は
このポジション手数料まで無料キャンペーンをやっています。
「ここまで無料にしてしまうと取引所はビジネスとして成り立たないでしょ。」
「大丈夫なの?」
はい、大丈夫です。
次の【4】で解説します。
さあ!!
それでは取引所の4つ目の収益源であるメインディッシュをご覧ください。
④ノミ行為型(投資家の負けはそのまま取引所の利益)
ノミ行為に触れる前に仮想通貨取引所以外の
「株式投資」「FX」の仕組みを再確認しましょう。
株式投資は「東京証券取引所」という取引所があり
楽天、SBI、松井など各証券会社が、
投資家の注文を取引所に受け渡すブローカー業務を行っています。
また、FXは「インターバンク」と呼ばれる
銀行間の国際的なネットワークとしての市場があり、
各FX会社はインターバンク市場での為替レートを反映した自社レートを提示して
投資家と相対取引をしています。
勘の鋭いあなたであれば「あっ」とお気づきかも知れません。
はい、そうです。
仮想通貨においては「東京証券取引所」「インターバンク」といった取引所が存在しません。
つまり、取引所各社が「独自の取引所」として運営しています。
各社が個々に「東京証券取引所のようなもの」を運営してると思ってください。
ここからは非常に重要なのでジックリと深堀りします。
投資家の負けが取引所の利益
仮想通貨取引所は日本の多くのFX会社が採用している「DD方式」です。
DD方式とは、投資家の注文をFX会社からインターバンクに流さずに、
「投資家の買い注文と売り注文をぶつけて相殺」したり、
「ぶつけもせずに呑んでしまったりする」ことです。
つまり、投資家の負けがそのままFX会社の利益になります。
このようなFX会社の行為こそ、知る人ぞ知る「ノミ行為」と言いますが、
仮想通貨取引所も「ノミ行為」をしています。
というよりも、しないワケがありません。
だって「東京証券取引所のようなもの」です。
つまり「胴元」です。
さらに。
FX会社のように意図的に価格操作をすることもでき、
他と比べてある取引所だけが「不自然なレートになる」ことがあります。
俗にいう「ストップ狩り」というヤツですな。
FX業者同様に仮想通貨取引所も
「投資家の負けが利益になる」
「価格を意図的に操作できる」
のです。
しかし、FX会社においても仮想通貨取引所においても
ノミ行為は合法(グレー)です。
つまり、堂々と胸を張ってガッポリ儲けることができます。
我々投資家と仮想通貨取引所との関係は、こんなモンです。
世の中の仮想通貨取引所を選ぶ際、
我々投資家と仮想通貨取引所との関係が相対取引である以上は、
構造そのものを回避することはできません。
ですので、こうした関係性の中で、
我々はまだマシな仮想通貨取引所を選択することしかできないのです。
「大手企業がやっているから大丈夫!!」
なんて思っちゃあ絶対にイケマセン!!
常に目の前の仮想通貨取引所を疑いながら付き合った方が良いでしょう。
以上が仮想通貨取引所の儲けのカラクリでした。