お楽しみ様です。
坂本です。
仮想通貨取引所は様々な問題に悩まされてきました。
特にハッキングによって仮想通貨が流出するという問題が相次いで発生し、
日本国内でも問題となった事例がありました。
ご覧ください。
2019年だけを振り返ってもこんなにハッキングがありました。
●2019年1月
ニュージーランドのクリプトピア(Cryptopia)
被害額1600万ドル(約17億4000万円)
●2019年3月
シンガポールのドラゴンエックス(DragonEx)
被害額700万ドル(約7億6000万円)
●2019年3月
韓国のビッサム(Bithumb)
被害額1300万ドル(約14億2000万円)
●2019年5月
中国のバイナンス(Binance)
被害額4070万ドル(約44億5000万円)
●2019年6月
シンガポールのビットゥルー(BiTrue)
被害額420万ドル(約4億6000万円)
●2019年7月
日本のビットポイント(Bitpoint)
被害額2800万ドル(約30億6000万円)
2019年11月
韓国のアップビット(Upbit)
被害額4900万ドル(約53億6000万円)
こうした状況から、今後は仮想通貨取引所が「DEX」という方法を利用し、
リスク回避のための対策を取っています。
しかし。
DEXはまず流行らないでしょう。
本記事では、DEXの概要とDEXのメリットとデメリット、
そして流行らない理由を解説します。
それでは参りましょう。
目次
仮想通貨取引所が採用するDEXとは
仮想通貨取引所で導入されつつある「DEX」は分散型取引所という意味で、
Binance、bitFlyer、DMM Bitcoinなどの中央管理者がいる
中央集権型取引所とは全く異なり、
「中央管理者が存在しない仮想通貨取引所」です。
メールアドレスとパスワードを使って
直接取引を実施する形の方法となります。
今までの中央集権型の取引所は
1取引所が管理者となって情報を管理していました。
しかし、トラブルが起きた際の対処が非常に難しいというリスクがありました。
特に顕著となったのは580億円のネムがハッキングされた
コインチェック(coincheck)による仮想通貨流出問題です。
こうした現状から、仮想通貨取引所に権利を集約するのではなく
DEX(分散型取引所)を採用した取引所が増えています。
直接取引させる方法を採用することで
ハッキングなどのトラブルを軽減させることが狙いです。
中央集権型取引所は顧客の秘密鍵を一括保管していましたが
これがハッキングのそもそもの原因なので、
秘密鍵を「個人」が保管するDEX(分散型取引所)が増えています。
DEX(分散型取引所)のランキング
DEX(分散型取引所)のランキングはcoingecko.comで公開されています。
https://www.coingecko.com/ja/%E4%BA%A4%E6%8F%9B%E6%89%80/decentralized
仮想通貨取引所がDEX(分散型取引所)を採用するメリット
仮想通貨取引所がDEX(分散型取引所)を使うことによる
仮想通貨取引所のメリット
顧客側のメリット
を解説します。
仮想通貨取引所のメリット(秘密鍵の流出を回避)
仮想通貨取引所のメリットは「管理する情報」が減ることです。
仮想通貨取引所がすべての情報を管理するのではなく、
一部の情報を顧客自身が情報を管理することで
有事の際の仮想通貨流出リスクを軽減できます。
特に重要なのが「秘密鍵」です。
「秘密鍵」の漏洩は仮想通貨ハッキングの大問題に直結します。
この「秘密鍵」を顧客側に管理させることで、
顧客の資産が「ハッキングされるリスク」を大きく下げます。
顧客側のメリット(手数料の削減とトンズラ防止)
一方で、顧客側のメリットは「手数料を削減」できます。
分散型取引所(DEX)であれば第三者(取引所)を介することなく
「ウォレット同士」つまりは「個人間」で取引ができます。
ご想像のとおり、大きな価格差で取引所がボロ儲けしている
「取引手数料」をぐっと下げることができます。
これらのメリットにより中央集権型取引所よりも
分散型取引所(DEX)を採用した仮想通貨取引所の方が安全です。
加えて。
取引所の運営者による資金の持ち逃げを防ぐことができます。
俗にいう「トンズラ」を防げます。
仮想通貨取引所がDEX(分散型取引所)を採用するデメリット
仮想通貨取引所がDEX(分散型取引所)を採用するデメリットは2つあります。
顧客にかかる負担が増える
1つめは顧客にかかる負担が増えることです。
顧客自身は「秘密鍵」を管理するため、情報の管理を徹底しなければなりません。
これは仮想通貨取引所にも影響があって利用者の減少に繋がります。
現にDEX(分散型取引所)を採用している仮想通貨取引所は
顧客が少ないという問題を抱えています。
顧客自身がデリケートな情報を管理しなければならないのですから当然ですし、
リスクを承知で中央集権型の取引所を利用し続けるトレーダーが多数います。
取引ができる仮想通貨が少ない
2つめのデメリットは取引ができる仮想通貨が少ないこと。
DEX(分散型取引所)で採用している仮想通貨しか取引できないため
現在はイーサリアム(ETH)など一部の仮想通貨に限って導入されています。
ビットコイン(BTC)がDEX(分散型取引所)対象外になっているのは大きな痛手です。
まとめ
各仮想通貨取引所ともリスクは避けたいので
強力なセキュリティであるDEX(分散型取引所)の採用は検討しながらも、
それによって顧客が減ってしまっては取引所自体の経営には不都合です。
だからこそ、
自分の資金を自分で管理したい一部の顧客だけが利用する存在であり続けますが
DEX(分散型取引所)はまず流行らないでしょう。
つまり、一部マニア専用のおもちゃということですワ。