お楽しみ様です。
坂本です。
先日6月18日、全世界に27億アカウントを持つ国際的な大企業Facebookが
仮想通貨Libra(リブラ)の創設を発表しました。
巷では「世界の通貨の勢力図に大きな影響を与える」と言われ
大きな話題を呼んでいます。
そりゃあそうです。
いよいよアメリカが 「ドル崩壊後の基軸通貨通貨」を発行するのですから。
(出ました!! ザ・陰謀論ッ!!)
・・・それはさておき、 本日はリブラの正体にジックリと迫ります。
目次
既存の仮想通貨は使い物にならない
まず、そもそも仮想通貨の原点に遡って仮想通貨の役割を再確認します。
ビットコインの生みの親「Satoshi Nakamoto」には大きな野望がありました。
ビットコインによって法定通貨に代わる 全く新しい金融システムを構築し、
世界に浸透させること。
つまり、既存の金融システムが
一部の金融機関や富裕層に集まり富を独占している
という状況からの脱却です。
例えば、現代社会で信頼を得ている銀行では
●融資による金利
●口座からお金を引き出す際の手数料
を中心に我々「立場の弱い人」からお金を集めるシステムが構築されています。
預金神話が根強い我々日本人は銀行に対して絶大な信頼を寄せていますから
銀行にお金が「集まり過ぎる」のは当然です。
この時点で「中央集権的なシステム」が成り立っていますよね。
ところが、そのような仕組みに疑問を呈したのが仮想通貨の大様ビットコイン!!
「富が一部に集まるから我々が豊かにならない」
そんな状況を脱却するために「皆で資金の流れを監視しよう!!」
という発想から生まれたのがビットコインであり、
ブロックチェーン(分散型取引台帳)です。
ビットコインには
●皆で資金の流れを監視し合おう!!
●送金を便利に安く行えるようにしよう!!
という立派な目的があるのです。
(ヤルじゃなか!! ビットコイン!!)
当然、ビットコイン以外の仮想通貨にもそれぞれ役割があり、
目的を果たすためにそれぞれの仮想通貨が誕生しています。
しかし。
現時点ではビットコインをはじめ
いずれの仮想通貨も魅力的な金融商材ではありながらも、
「法定通貨や既存の金融システムを塗り替える存在か」
と聞かれれば道半ばといった状況。
これには明確な理由があって、中央銀行が発行する法定通貨には
国家による信用や国力というような「裏付け」があるのですが、
ビットコインなど既存の仮想通貨は裏付けとなる「確定的な資産」がないのです。
つまり。
主要通貨として「使い物にならない」のです。
ドル崩壊後の基軸通貨リブラの裏付け
そんな状況に満を持して登場したのがFacebookが創設する仮想通貨「リブラ」。
リブラの「裏付け資産」をご覧ください。
中央銀行が発行する法定通貨に加えて、
複数の政府の短期国債など、
価格変動率の低い資産を「裏付け資産」として発行されます。
明確にはなっていませんが金地金も含まれるかも知れません。
これら「裏付け資産」を 運営団体であるリブラ協会(後ほど説明します)が持ちます。
つまり、既存の国家発行の法定通貨に近いため
初の「使い物になる仮想通貨」となる可能性が大いにあります。
リブラの公式ページにはハッキリと書かれています。
Reinvent money. Transform the global economy.
(通貨を発明する。世界経済を変革する)
「本当に世界の金融システムを塗り替えることなんてできるのかよ」
と、お思いのあなた。
ドルの歴史を思い出してください。
1910年代、JPモルガンやロックフェラーなどの民間銀行が
FRBを作ってドルを発行しました。
その後、アメリカが覇権国になってドルが基軸通貨に昇格。
これと同様のことが起きようとしているのが「リブラ」です。
つまり、民間企業が公共のために良い機能を提供するならば、
民間が中央銀行を運営しても良いというのがアメリカの考え方です。
アメリカの株や国債は、実態経済とかけ離れ史上最高値を更新し続けていますが、
近い未来、このバブルが弾けドルの崩壊が起きるかも知れません。
そのドル崩壊時に打って変るのがリブラであれば
民間企業であるFacebookに対する「権力の後立て」はとてつもないモノがあります。
運営団体「リブラ協会」のドエライ構成
ここで運営団体である「リブラ協会」について解説を加えておきます。
リブラ協会はスイスに本部を置くリブラの発行母体であり運営組織です。
こちらのリブラ協会に参画している豪華絢爛な群をご覧ください。
VISAやMaster Cardをはじめとする28の米企業や、
非営利組織、学術機関がリブラ協会を作っており、
近く100社まで拡大すると発表されています。
リブラは我々一般ユーザーを取り込む必要がありますが、
その地盤として膨大な顧客を抱えるVISAやMaster Cardといった
リブラ協会のメンバーを味方につけています。
これまでも複数の企業が共同で仮想通貨の開発を手掛けるも
発信力・信頼性の問題から普及した通貨はありませんが、
リブラは今後爆発的に広めるための準備はできていると言えます。
加えて、重要な点があります。
「ドルの基軸性に固執する銀行界」が1社もリブラ協会に入っていません。
ドル崩壊後にリブラが基軸通貨がになるシナリオの確度が高まりますナ。
まとめ
リブラに関してはまだまだ概念的な情報が多く今後もチェックが必要です。
日本に住んでいる我々には想像し難いかも知れませんが、
開発途上国など世界の成人人口の31%にあたる17億人は銀行口座などを持っておらず、
金融システムから除外されています。
その人々に「裏付けのある金融サービス」を提供することができのがリブラです。
先程の「裏付け」に加えて技術面からもソレが垣間見れます。
ビットコインなど既存の仮想通貨はProof of Work(PoW)という
「承認のための計算方法」を用いていましたが、
リブラはPoWよりも高い取引スループット、低遅延性、高いエネルギー効率を実現する
Byzantine Fault Tolerance(BFT)を用います。
つまり、一度に大量の取引が可能になるのです。
「数十億人の金融インフラに影響を与える」というリブラのスローガンにもあるように
全世界の取引を視野に入れているのでしょう。
しかし、アメリカがFacebookを使って
本気で世界の金融システムを塗り替えようとしていることは想像できます。
(はい、「ザ・陰謀論」です)
リブラの登場により世界はもっと面白くなるかも知れません。
とは言っても、我々にとって大事なのは陰謀がどうとかではなく、
様々な情報をキャッチして、
そこに稼ぐチャンスを見い出せるのであれば強欲に稼げば良い。
たったコレだけです。