お楽しみ様です。
坂本です。
ビットコインの半減期から1ヶ月以上たちましたね。
ハッシュレートの落ち込みにともなう若干の価格変動はあれど、
大きな盛り上がりもなく「ある意味」静かに過ぎていきました。
これでビットコインのマイニング報酬は半減したのですが、
イーサリアムのマイニング報酬って気になりません?
イーサリアムはビットコインと違って
「総発行量の上限なし」
「マイニング報酬が半減するルールなし」
という通貨です。
「じゃあマイニング報酬は一定でしょ。」
と、ツッコミをいただきそうなので先にお答えしておきます。
残念ながら違います。
しかも、チャートをよくよく見ると・・・
ヲイッ、おかしな減り方してるヤン!!
はい。
ということで、本記事では
イーサリアムのマイニング報酬が減る理由
についてコッテリ解説します。
今年はいよいよイーサリアム2.0が立ち上がり
なにかと話題になることも増えるでしょう。
今のうちからシコシコと情報を仕入れて知識を深めることで、
イーサリアム2.0の時にはサッと動いて稼ぐこともできます。
それでは参ります。
目次
イーサリアムのマイニング報酬も実は減少している
最初に坂本が(勝手に)加筆したこちらのチャートをご覧ください。
イーサリアムの1日のマイニング報酬「総額」を表したチャートに
主要なアップデートのタイミングを加筆しました。
パッと見でマイニング報酬の総額が時間の経過とともに
減少していることがわかります。
- 2017年1月ごろ 1日に32,000ETH程度
- 2018年 1日に18,000ETH程度に減少
- 2020年 1日に13,600ETH程度に減少
階段的に減少しています。
つまり。
イーサリアムのアップデートと明らかに関係した動きをしています。
何が起こっているかよく見るために、
もうひとつの坂本が(勝手に)加筆したチャートをご覧ください。
イーサリアムのブロック生成時間のチャートに
主要なアップデートのタイミングを加筆しました。
Homesteadアップデート以降、
イーサリアムのブロック生成時間は「14秒程度」でほぼ一定です。
毎日同程度のブロックが生成されていることがわかります。
- 1つめのチャート マイニング報酬「総額」が階段的に減少している。
- 2つめのチャート ブロック生成時間は変わっていない。
つまり。
イーサリアムの「1ブロック」あたりのマイニング報酬は
「段階的」に減少しています。
イーサリアムのマイニング報酬はどうして減少した?
実は、イーサリアムの1ブロックあたりのマイニング報酬は
アップデートの際に減少しています。
もともとは1ブロックあたりのマイニング報酬は「5ETH」。
これが、このように減少しています。
- Byzantiumアップデートの際に「3ETH」に減少。
- Constaitnople & St. Peterburgアップデートの際に「2ETH」に減少。
このマイニング報酬減少の要因こそ
「イーサリアムのコア開発者による議論」
です。
関係者間での議論でイーサリアムのマイニング報酬は決まり、
それがアップデートの際に反映されているのです。
冒頭でお伝えしたように
イーサリアムはビットコインと違って
「総発行量の上限なし」
「マイニング報酬が半減するルールなし」
という通貨です。
これには理由があって、もともとは早期に「PoS」に移行して
「PoW」は暫定的な措置と考えられていたので、
まあ、マイニング報酬についてはあまり問題にならなかったのでしょうナ。
ところが。
「PoS」移行までの時間が思ったよりかかってしまい、
その間「PoW」での新規の通貨発行が続いた結果、
インフレーションの懸念がでてきたのですワ。
つまり。
これまでの2回のマイニング報酬の減少は「インフレ対策」です。
半減期というルールこそありませんが、
イーサリアムのマイニング報酬は減少していく。
イーサリアムとはそういう通貨です。
アップデート前のマイニング報酬総額の落ち込みは時限爆弾のせい
はい。
ここまでの話でイーサリアムのマイニング報酬総額の
「段階的な減少」についてはご理解いただけたと思います。
ここでもうひとつ。
先ほどの2つのチャートを見ると「奇妙な現象」に気づきませんか?
通常、マイニング報酬総額は大きく変わることはないのですが、
アップデートの前に報酬総額が急激に落ち込んでいます。
ブロックの生成時間を見ても、
同じタイミングでブロックの生成時間が急激に伸びているので、
報酬総額の落ち込みが生成ブロック数の減少によるものとわかります。
このマイニング報酬総額の不思議な動きは、
イーサリアムに仕掛けられた「時限爆弾」と深く関係しています。
その名も
「ディフィカルティボム」
(「困難さの爆弾」って訳すんでしょうか。)
これは時間の経過とともにブロック生成の困難さが増していく仕組みです。
最初は緩やかだけど、徐々に指数関数的に難しくなっていき、
そのうち誰もブロックを生成できなくなる。
・・・という仕組みです。
ブロック生成数の急激な減少は、
この「ディフィカルティボム」によるワケです。
イーサリアムのマイニング報酬に時限爆弾が仕掛けられている理由
なぜ時限爆弾が仕掛けられているのでしょうか。
コレ、気になりますよね。
時限爆弾も「PoSへの移行」が大きく関係しているのです。
PoWからPoSへの移行時に発生しうる問題として、
「チェーンの分裂」が懸念されていました。
一部のマイナーが移行せず(坂本)、
古いチェーンでのマイニングを継続してしまう問題です。
時限爆弾「ディフィカルティボム」は、
この問題への対策として導入されてたんですね。
「古いチェーンでマイニングしていても
ブロック生成がめっちゃくちゃ難しくてマイニングできない。」
「だったら新しいチェーンに移行するしかないヤンケ。」
という仕掛けです。
ところが。
PoSへの移行に時間がかかり過ぎているので、
爆弾のほうが先に破裂してしまいそうなんですワ。
ヲイーーーーーーーーーー!!
というワケで、アップデートのたびに、
(大急ぎで)時限爆弾の時間調整を行っているのでした。
ムムム。
ちょいと間抜けな話ですナ。
「PoSへの移行スケジュールが確定するまで
時限爆弾の発動を切ってしまえばイイのに。」
・・・と思うのは坂本だけでしょうか。
イーサリアムのマイニング報酬が減る理由のまとめ
イーサリアムのマイニング報酬の減少は
マイナー(坂本)にとっては大ごとにもかかわらず、
価格への影響の度合いは明確ではありません。
価格推移のチャートと重ね合わせてみても、
特段の傾向を見つけるのは難しい・・・
イーサリアムの価格は、
ビットコインの価格との相関性があまりにも高くて、
ビットコインに引っ張られすぎなので、
イーサリアム独自の動きって読みづらいんですよね。
しかし。
マイニング報酬の減少がなければ、
長期的にはインフレとなって、
イーサリアムの価値が下がっていくのは確実です。
ビットコインと違って「関係者間での議論」で決まる
イーサリアムのマイニング報酬。
適正にコントロールされているかは、
イーサリアムに投資するのでしたら常に確認すべき項目です。
しかも。
今年のどこかで2.0のネットワークが始動します(予定)。
これまで「するする」と言いながら始まらない「PoS」が、
やっと現実になる節目のタイミングまできました。
「PoSに移行すればイーサリアムの新規発行は大幅に減少する見込み」
とのことです。
http://povcryptopod.libsyn.com/133-internet-money-w-vitalik-buterin
イーサリアムはこれから
「激動の時」を迎えますから目が離せませんワ。
マイニング報酬は時間の経過とともに減少しています。