お楽しみ様です。
坂本です。
2021年、ビットコインは市民権を得て、機関投資家も投資する資産となりました。
キッカケは2017年のCME(シカゴにある商品先物取引所及び金融先物取引所)への上場です。
その3年前の2014年。
日本でビットコインの名を広めたある事件はご存知ですか。
仮想通貨取引所マウントゴックスが75万BTCを奪われた大事件です。
メディアが大々的に報道したこともあって、みんなが「仮想通貨」「ビットコイン」を知るキッカケになりました。
それ以来、予期せぬ事態で「仮想通貨がなくなること」を「ゴックス」と呼ぶようにうなりましたね。
はい、このゴックスが本記事のテーマです。
ちなみに、仮想通貨取引所がハッキングにあって仮想通貨を失うことだけがゴックスじゃあまいんです。
自分の不注意によって仮想通貨失くしてしまうことを「セルフゴックス」と言います。
・秘密鍵の紛失
・ハードウォレットの紛失や故障
加えて、鬼嫁に強制的に相場から退場させられることを「嫁ゴックス」と言います。
本記事は大事な資産をゴックスさせず守っていきたい方向けの内容です。
下記を軸に解説していきます。
- 3つのゴックス(ノーマル・セルフ・嫁)の概要説明
- ゴックスを避ける2つのポイント
それでは参りましょう!!
目次
3つのゴックス(ノーマル・セルフ・嫁)
それでは早速「3つのゴックス」をご紹介します。
- ゴックス
- セルフゴックス(自分の不注意によるゴックス)
- 嫁ゴックス(コレは避けられません)
ゴックス
冒頭でもお伝えしたように「仮想通貨がなくなること」を「ゴックス」と言います。
もちろんマウントゴックス事件を皮肉っています。
たいていは仮想通貨取引所に預けている資産がなくなるときに使います。
マウントゴックス事件以外でもコインチェック事件が有名ですね。
(例)仮想通貨取引所に預けていたた資産がハッキングされて持ち逃げされた。
海外では意図的ではないにせよ、仮想通貨ならではの怖いゴックス事件も起きました。
カナダの仮想通貨取引所クアドリガCX(QuadrigaCX)では、取引所のウォレットの秘密鍵を知る唯一の人物が死亡したため、そこから資産を取り出せなくなるという事件も起こっています。
セルフゴックス(自分の不注意によるゴックス)
自分の不注意でパスワードや秘密鍵を紛失してしまったことで、ウォレットなどから仮想通貨を取り出せなくなることを「セルフゴックス」と言います。
(例)
ビットコインキャッシュのアドレスにビットコインを送金してしまう。
秘密鍵(パスワード)を保管したUSBメモリを失くしてしまった。
二段階認証用のスマホを失くしてしまった。
すでにお気づきだと思いますが「セルフゴックス」は誰にでも起こり得ます。
嫁ゴックス(コレは避けられません)
嫁にオコされて仮想通貨トレードを辞めざるを得ないことを「嫁ゴックス」と言います。
鬼嫁がいる場合はへそくりで、コッソリ、シコシコとトレードするのみです。
ゴックスを避ける2つのポイント
ゴックスの種類がわかったところで、ゴックスを避ける2つのポイントをご紹介します。
- 自分で管理できるウォレットで保管
- 国内と海外の仮想通貨取引所を使い分ける
この2つのポイントを心がけて行動するだけで、ゴックスリスクを大きく減らせます。
どうぞジックリとお読みになってください。
自分で管理できるウォレットで保管
仮想通貨取引所に保管するメリットは、いつでも引出しや送金ができること。
ほんと便利です。
とはいっても、仮想通貨取引所は「リスクが高い」保管場所です。
・情報漏洩リスク
・カウンターパーティリスク
スグに動かす予定がない仮想通貨はハードウェアウォレットに保管します。
この時、セルフゴックスしないように「秘密鍵」を複数バックアップしておくことをお勧めします。
国内と海外の仮想通貨取引所を使い分ける
あなたもご存知かもしれません。
国内の仮想通貨取引所はライセンス制です。
つまり、金融庁による厳しい審査を潜り抜けないと業務ができません。
だからこそ我々には大きなメリットがあるんですワ。
何かしらの要因で取引所に預けている資産がなくなっても100%ではありませんが保証がある
というメリットです。
仮想通貨取引所によってはトラブルが発生した際の補償について「約款」で明確になっています。
一定の補償が行われることがあることの加えて「約款に保証の記載がなくても補償がある」ことがあります。
国内の取引所ではこれがスタンダードになっています。
一方、残念ながら海外の仮想通貨取引所は信頼性の面で不安が付きまといます。
海外の最大手の取引所BinanceでさえもKYC(本人確認)が必須ではありません。
つまり、これは不正利用に使うことができるというワケです。
KYCがないので何かトラブルが発生した時、自分の口座の所有者が自分である証明できません。
全て自己責任です。
補償を受けられることも期待できません。
これが海外の取引所です。
じゃあ海外の取引所がダメかというとそうではありません。
国内の取引所はできるこがショボいので何を優先するかが大事です。
- 取引所としての信頼度 国内>海外
- 取扱商品数 国内<海外
仮想通貨取引所マウントゴックス事件
はい、ここまでで
「3つのゴックスの種類(ノーマル・セルフ・嫁)」
「ゴックスを避ける2つのポイント」
をご紹介してきました。
ここから先は興味のある人向けです。
2014年に起こった「マウントゴックス事件」について振り返ります。
それでは参りましょう。
マウントゴックスと事件当時の仮想通貨事情
仮想通貨やビットコインについて知っている人がほとんどいない2014年。
知っていたのはごく一部の人です。
この頃は2012年に起きた偽造通貨「円天」詐欺事件の影響で、懐疑的な見方をする人が多くを占めていました。
ビットコインの取引量は今ほどないなか。
マウントゴックスは世界で約70%のシェアを占める業界最大手の取引所でした。
2013年、事業における様々なトラブルがマウントゴックスで起こります。
・マウントゴックスの買収に関わるアメリカでの訴訟
・ユーザーへの払い出し遅延
・一時的な取引停止
そして2014年、マウントゴックスは突如、取り引きを完全に停止します。
マウントゴックス事件発生
2014年2月7日。
マウントゴックスをはじめとする多くの仮想通貨取引所でビットコインの払い戻しが停止されました。
マウントゴックスはその原因としてこう説明しました。
「ビットコインのソフトウェアの問題とし、ビットコインの開発チームが問題解決に全力を尽くしている。」
2014年2月17日。
他の取引所は通常営業に戻ります。
一方、マウントゴックスは「セキュリティ問題に取り組んでいる」として、払い戻しの再開日を明らかにできませんでした。
2014年2月25日。
マウントゴックスは公式サイトで「当面、全ての取引を停止する」ことを発表。
2014年2月28日。
東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。
そしてビットコインの払い戻しができないまま倒産します。
その際にあることが発覚します。
実は2011年にハッキングによって多額の被害を受けていたのです。
- ユーザーからの預かり資産約75万BTC
- 自社保有資産約10万BTC
他にも約28億円分の資金も同時に盗難にあったいたとされています。
マウントゴックス事件その後
民事再生法の申請から1年以上が経った2015年8月。
マウントゴックスのマルク・カルプレス元CEOが逮捕されます。
容疑は顧客資産の横領の疑いです。
当初はハッキングの影響を受けたものとして捉えられていたマウントゴックスの破綻。
しかし、捜査が進む中でカルプレス元CEOの口座に不自然な動きがあるなど、不審な点が次々と明らかになります。
そして、2015年8月1日の逮捕へと至りました。
カルプレス元CEOはその後の調べで、顧客への謝罪を口にすることはあっても、決して自分の罪を認めることはなく、一貫して無罪を主張します。
2019年3月。
事実上の無罪判決を勝ち取りましたが、現在も事件の捜査は続けられています。
しかし、流出したビットコインや現金は、既にマネーロンダリングされた可能性が高く、捜査は難航しています。
坂本はマウントゴックス事件ではじめてビットコインという単語を知りました。
当時はビットコインの勝ちを全くわかっていなかったので気にもしていませんでした。
かといって、2021年までガチホできるかと言われると、きっとどっかのタイミングで売っていたでしょうな。
ビットコインのゴックスまとめ
マウントゴックス事件はビットコインを世にに知られる大きなキッカケになりました。
大事なことは我々の資産を「ゴックス」させないことです。
そのためにも
・3つのゴックスの種類(ノーマル・セルフ・嫁)
・ゴックスを避ける2つのポイント
をちゃんと把握して資産を守りましょう。