お楽しみ様です。
坂本です。
2019年6月、facebook社のCEOマーク・ザッカーバーグ氏が突如、デジタル通貨構想「Libra(リブラ)」を発表して世界中を驚かせたことは記憶に新しいでしょう。
そこから紆余曲折を経て2021年12月、名称を「diem(ディエム)」と変更しました。
つまり、同社のメタバースでも活用される可能性はあるので、diem(ディエム)を知っておくことは重要です。
とはいっても「そもそも仮想通貨のこと自体よく分からないよ」と思われる方が多数派だと思います。
そこで本記事では、仮想通貨diem(ディエム)の知識がない方向けにわかりやすく丁寧に解説します。
それでは参りましょう。
目次
仮想通貨diem(ディエム)とは
仮想通貨を一言でいえば、「インターネットを介してお金のように使えるデータ」のことです。
さらにその仮想通貨をブロックチェーンの技術により、共有する者どうしで管理し不正ができない仕組みによって信頼性を上げるものとしました。
ビットコインをはじめ、さまざまな種類の仮想通貨がありますが、その中でも今回注目すべきなのがディエムです。
ディエムは法定通貨にその価値を担保した「ステーブルコイン」つまりは安定した通貨なのです。
ここまで聞いたら「ディエムって何だか凄そうなのは分かったけど、一体何ができるの?」と思いますよね。
ではこのディエムの目的と特徴についてお話しします。
仮想通貨diem(ディエム)の目的
diem(ディエム)発行の目的とは、「世界共通の通貨になること」です。
実は世界では銀行口座を持っていない方が17億人にも達するというデータがあります。
これは世界人口の約3割にもおよび、「口座難民」の問題が浮き彫りとなった形です。
その中でもスマホは持っているという方は10億人いると言われています。
この問題をfacebook社がディエムを使って解決することにより、一気に10億人ものユーザーが取り込めることになります。
Libra(リブラ)からdiem(ディエム)に変わった背景
diem(ディエム)は元々はLibra(リブラ)という名称でした。
名前が変わった背景には
「金融の安定性に危険が生じる可能性」
「当時のFacebook社が直面していた、規制や独占禁止法対策に関する声の高まり」
といった問題がから一度は表舞台から姿を消します。
ドル、ユーロ、日本円を担保にしたLibraは独自のネットワークをもち、かつ独立性を持つ通貨でしたが、この独立性があることが脅威と捉えられていました。
結果、一年と数ヶ月後、Libraのシステムを改善し再スタートを切ることが決まり、名前もdiem(ディエム)へと変更されることになりました。
なお、ここで間違いがちなのが、diem(ディエム)の指針決定するのはfacebookのマーク・ザッカーバーグ氏ではないということです。
diem(ディエム)を管理する「diem協会」
「diem協会」と呼ばれる複数の企業が集合して出来た協会がdiemに関することを決定しています。
元々diem(ディエム)ブロックチェーンを作り上げたのはFacebook社ですが、2020年に指導者としての立場を降りています。その際にdiem協会のメンバー全員がdiemのガバナンスにおいて、平等な投票権を持つと主張しました。
気になるdiem協会のメンバーは、Shopifyなどテック企業の他に、ThriveCapitalなど金融ベンチャー企業、Uberなど誰もが知っている企業もメンバーに含まれています。
仮想通貨diem(ディエム)の特徴4選
ここからは、仮想通貨diem(ディエム)の特徴について解説していきます。
➊ 誰でも簡単に資金管理ができる
➋ 送金手数料が安くて早い
➌ 価格変動を抑えた仕組み
➍ 決済が可能になる
特徴1:誰でも簡単に資金管理ができる
diem(ディエム)スマホにアプリをインストールするだけで利用できます。
こうなればもう銀行口座を持たなくてもいいどころか、現金の持ち運びが不要になる。
手ぶらで買い物ができる。
支払い時におつりを受け取る手間が省ける。
などが可能になります。
特徴2:送金手数料が安くて早い
一般的に国際送金には「それなりの手数料」と「それなりの日数」が必要です。
こちらの国際送金と仮想通貨の送金比較表をご覧ください。
国際送金 | 仮想通貨diem(ディエム) | |
---|---|---|
送金スピード | 最短でも2日程度 | 最短で数分 |
手数料 | 利用サービスによりますが、数千円の場合がほとんど | 1〜10円程度 |
貧困層の方は海外へ出稼ぎに行って本国へ送金をしています。
現金の場合だと到着するまでに最低でも数日かかり、さらには手数料が数千円もかかります。
それはもう死活問題です。
しかしスマホにインストールしたdiem(ディエム)を使うだけで、わずか数分で本国に送金できて、手数料も金融機関を介した方法と比較して数円程度と大幅に圧縮できます。
特徴3:価格変動を抑えた仕組み
既存の仮想通貨の弱点といえば、価格の不安定さがあげられます。
ビットコインなどであれば、数日で数十万円相当も変動することなどザラです。
その不安定さが取り上げられた事件が、2014年に突如としてビットコインに起きた「マウントゴックス事件」です。仮想通貨業界を震撼させたかつてない大事件でした。
当時、世界最大級の交換業者であったマウントゴックス社のサーバーに何者かがハッキングして、同社のビットコインと預かり金の大半を流出させたのです。その被害総額は、当時の市場価格にして470億円相当になりました。
そういった仮想通貨の歴史と比較して、ディエムの場合はこの価格の安定性が担保されています。
その安定性は大きく2点あげられます。
①リザーブ機能
diem協会の声明によると、市場に出回っているdiem(ディエム)の時価総額よりも常に多くの資産を保有する予定です。
もしdiem(ディエム)がマーケットに多く出回り価格が下落したら、リザーブ資産で買い戻しを行う。これによってディエムの価格が一定以上に値下がりしないように下支えを行う形になります。
逆にdiem(ディエム)の価格が高騰局面に入った場合、リザーブ資産をマーケットに流す。
それによって供給量が増え、高騰しないように行う予定です。
②ステーブルコイン
ディエムの場合は、現存する法定通貨と価格が連動する仕組みになっています。
これこそが安定した通貨「ステーブルコイン」といわれる理由です。
そしてディエムは各国の法定通貨に呼応するため、複数種類を発行予定しています。
・D=JPY(日本円と連動)
・D=USD(ドルと連動)
・D=EUR(ユーロと連動)
上記のような形で主要な法定通貨と連動したディエムが発行される予定です。
特徴4:決済が可能になる
diem(ディエム)と提携を行なっている大企業も多いです。
有名なところでは、Uber(ウーバー)、Shopify(ショッピファイ)、Spotify(スポティファイ)などがあげられます。
これらの企業と連携すれば、ディエムで決済できる期待が大いにあります。
今後の動向も注視していきたいですね。
仮想通貨diem(ディエム)の将来性
仮想通貨diem(ディエム)の将来性について2つの視点から見てみます。
● facebookのメタバースへの参入
● CBDC(中央銀行デジタル通貨)
facebookのメタバースへの参入
すでに知っている方も多いですが、diem(ディエム)の開発元であるFacebookは、会社名をMeta(メタ)へ変更しました。
メタと言えばメタバース。
メタバースへの本格参入に合わせ、社名を変更し、1.1兆円以上を投じる旨を公表しています。
Metaが創る新しい世界で、せっかく開発したdiem(ディエム)を利用しないとは思えませんよね。
そのため、新しい世界でdiem(ディエム)が通貨として使われる可能性は、非常に高く、将来性があると言えます。
diem(ディエム)を取り巻く世界情勢
世界各国でもディエムに対抗するべく、調査・研究や開発が進められています。
それが「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」です。
その中でも今、猛烈な勢いがあるのが中国の「デジタル人民元」。
中国は2022年2月の冬季北京オリンピックで、デジタル人民元を披露すると発表しています。
デジタル通貨でリードしたい中国の思惑が見え隠れします。
まとめ:仮想通貨diemは可能性の塊
いかがでしたでしょうか?
改めてdiem(ディエム)についてまとめます。
・世界共通の通貨になることを目指す
・資金管理が簡単
・高速送金と安い手数料
・価格変動を抑えた仕組み
・決済が可能になる
・世界各国でも仮想通貨の調査・研究や開発が進められている
まだ開発段階ですが、facebook社が手掛けただけに今後とも大いに期待できる仮想通貨と言えますね。
これからも仮想通貨業界は勢いを増す一方なので、その流れについていけるように注視していきましょう。
● diem(ディエム)がどういう仮想通貨なのかを知りたい方
● diem(ディエム)の特徴を知りたい方
● diem(ディエム)の将来性を知りたい方