お楽しみ様です。
坂本です。
ビットコイン(BTC)の3回目となる半減期が無事に過ぎましたね。
夜中の3時からパソコンの前に座って
chainflyer(https://chainflyer.bitflyer.jp/)を開き
630,000ブロックが生成されるのを
ひとりシコシコと楽しんでおりました。
(ただのコインヲタ状態です。)
そんなヲタ坂本は普段から投資情報のウォッチをするのが趣味で
あれこれとみています。
まあ世の中にはビットコイン(BTC)の将来の価格が
「数年内に数百万円」という人もいれば
「億単位の予想」をする人もいたりするのですが
その多くが理論的な根拠が薄弱な言いっぱなしが多いんですよね。
そんななか。
ストックフロー比率(SF比率)による
ビットコイン価格予測モデルを開発した「Plan B」が話題です。
もともとは「半減期後5.5万ドル」という予測をしていたのですが、
最近になって「28.8万ドル」まで引き上げました。
オイーーーーーーーーーーー!!
「28.8万ドル」と聞いて
「今すぐ買ってガチホやん!!」なんて思っちゃダメですよ。
投資は自己責任だからこそ自分で調べて納得してからです。
そこで本記事では
勝手に「ビットコイン価格予測28.8万ドル」について検証をしてみました。
どうぞ最後までお読みナスってください。
目次
ビットコイン半減期後の価格を予測するストックフロー比率とは
ストックフロー比率(SF比率)とはビットコイン(BTC)に限らずどの資産でも計算できる数字です。
その資産が現時点で市場に存在する総量 ⇒ ストック
その資産が1年間で新たに生成される総量 ⇒ フロー
と定義して、
ストックフロー比率(SF比率) = ストック ÷ フロー
で計算されます。
つまり。
「現在の総量と同じ量を新たに作り出すのに何年かかるんじゃい」
ってのを表す数字なんですが、まあ計算式はともかく
ストックフロー比率(SF比率)が高いほど「希少性の高い資産」だと思ってください。
Plan Bが2019年3月に発表した論文
2019年3月にPlan Bが発表した論文では
様々な資産のストックフロー比率(SF比率)と時価総額の関係を比較しました。
https://medium.com/@100trillionUSD/modeling-bitcoins-value-with-scarcity-91fa0fc03e25
彼の論文から数字を拾うとこうです。
資産種別 | ストックフロー比率 (SF比率) | 時価総額 |
---|---|---|
金 | 62 | 8.4兆ドル |
銀 | 22 | 3千億ドル |
パラジウム | 1.1 | 120億ドル |
プラチナ | 0.4 | 24億ドル |
半減期前のビットコインは「ストックフロー比率(SF比率)27.6」「時価総額 1,600億ドル」でしたから
ビットコインは銀に近い資産とも捉えることができます。
さらに。
Plan Bは過去のビットコインのストックフロー比率(SF比率)と時価総額の推移を
グラフ上でプロットしてくれています。
これはわかりやすいです。
いろんな色の小さな丸が過去のビットコインのストックフロー比率(SF比率)と時価総額です。
非常にきれいな直線になっていますよね。
大きな黄色の丸が金
大きな灰色の丸が銀
ともにビットコインの直線よりは少し上に位置しています。
これを見る限り、少なくともストックフロー比率(SF比率)は
これまでのビットコイン(BTC)の価格の推移を説明しているように思えますナ。
Plan Bは論文の結論でこんな主張をしています。
ビットコインの価格を予測するのにSF比率は極めて有効だ
2020年5月の半減期が過ぎればビットコインのSF比率は2倍となり時価総額も跳ね上がる。
結果としてビットコインの価格は5.5万ドル/BTCと予想される。
この論文に説得力があったことをキッカケに
Plan Bは仮想通貨界隈で有名人になったんですワ。
ちなみに。
イーサリアムのストックフロー比率(SF比率)は「22.3」です。
時価総額は約240億ドルで、やはりこの直線に近いところにあります。
はい。
ここまでが昨年3月に出た「納得のできる」論文でした。
実に前置きが長かったですね。
一呼吸おいて、ここからが本題です。
「半減期後28.8万ドルの予測の信頼性」についてです。
それでは参ります。
ストックフロー比率(SF比率)予測の改訂版発表!!
ビットコイン半減期後28,8万ドルの信頼性
半減期直前の4月28日。
Plan Bはストックフロー比率(SF比率)をベースにした新しい論文を発表しました。
https://medium.com/@100trillionUSD/bitcoin-stock-to-flow-cross-asset-model-50d260feed12
論文ではストックフロー比率(SF比率)の改良手法として
「ストックフロー・クロスアセット」が登場します。
その名の通り「クロスアセット」ですから他の資産、
具体的には金と銀の情報もあわせて予測の線を引いています。
その結果、直線の傾きが変わり
半減期後のビットコインの価格予想は
「5.5万ドル」から「28.8万ドル」に大幅アップしたのです。
このグラフの黒い直線が新しいSFクロスアセットの予測です。
青い点が過去のビットコインのストックフロー比率(SF比率)と時価総額
右上のグレーの丸が銀
黄色の丸が金です。
黒い線がすべての点を説明する直線になっていることがわかりますね。
5.5万ドルと28.8万ドルのストックフロー予測の違いは「傾きの差」
さて。
このグラフに、前のストックフロー比率(SF比率)に基づく線を
坂本が(勝手に)赤で書き加えてみたらこうなりました。
コレを見ただけでもうお気づきかも知れません。
5.5万ドルと28.8万ドルの予測の違いって「傾きの差」なんじゃないかい。
つまり。
金や銀を入れて線を引きなおしたので
予想が「28.8万ドル」に上がったという話なんじゃないかい。
「クラスタリングしてから回帰分析によって線を引いた」と主張していますが、
結局、従来の予想の直線よりちょっと上にある金や銀を含めて分析しなおしたから
予想が変わったにすぎないだけヤン!!
2019年3月のストックフロー比率(SF比率)の予測は説得力があったけど今回の予測はなんだかなあ・・・
というのが正直なところです。
まとめ
「ビットコインの価格推移を説明するのにストックフロー比率(SF比率)は極めて有効」
というPlan Bの主張には説得力がありましたが、
「新しいSFクロスアセット」はどうなんでしょうかね。
もちろん。
半減期を超えて次の高値へ向かことを期待している
ビットコインマキシマリストにとってはフォローとなる嬉しい予測です。
かく言う坂本もソレを期待をしているひとりです。
とはいっても。
次のピーク価格が具体的にどの程度か?
5万ドルか、50万ドルか、はたまた500万ドルなのか?
「新しいSFクロスアセット」はコレを見極められるほど
解像度がよい予測ではないですし
常に何事も起こり得て、予測が意味を成さないのが相場ですから
まあ鵜呑みにしない方がいいでしょうナ。