お楽しみ様です。
坂本です。
仮想通貨界隈でちらほら聞くけどイマイチ意味不明な「DAO」。
杓子定規に解説すると「Decentralized Autonomous Organization」の略語。
和訳すると「自立分散型組織」です。
・・・はい、ワケワカメ。
そりゃあそうです。
「英単語の連続」「漢字の連続」ってだけで蕁麻疹モノなんですから。
ご安心ください。
そんなあなたのために坂本が「DAO」について超わかりやすく解説します。

「DAO」ついでに「DAO Maker」と「The Dao」についても解説を加えるので、理解が深まることをお約束します。
DAOという言葉は聞いたことがあるけど、意味を理解していない人ほど必見です。
それでは参りましょう。
目次
仮想通貨DAOとは

まず最初にDAO(自立分散型組織)をわかりやすく一言で表現すると「所属している全員が社長の会社」です。
つまり、社長や部長といった管理者がない組織です。

DAOの中で一番有名なのはビットコインです。
ほら、開発したのはサトシ・ナカモトだけど、特定の管理者や発行する団体はいませんよね。
こういう管理者や運営者が分散し、自律した参加者が集まってできた組織がDAOです。
DAOの種類は目的の数だけ存在
そもそもDAOの目的は「定めた目標や義務に従い、投資用の資本を共同出資すること」ですから、DAO種類はとても豊富です。
下記の画像をご覧ください。

仮想通貨DAOのメリット「4つ」
このブロックでは仮想通貨DAOのメリット「4つ」をご紹介します。
- 意思決定は投票で行う
- 公平性がある
- 透明性が高い
- 効率的に稼働する
DAOのメリット1. 意思決定は投票で行う
DAOでは中央集権制が取り除かれているので「特定の者による独断の意思決定」がおきません。
例えば、一般企業は社長(取締役会)の意思決定によって組織が稼働します。
しかし、DAOでは「特定の者による独断の意思決定」はありません。
そうです。
DAOでの意思決定は事前に決められているルールに則り議論や投票を用います。
もちろん、議論や投票に使われているルールの変更を求めることも可能です。
その場合も特定の誰かによる意思決定ではなく、DAO参加者によって投票されます。

DAOのメリット2.公平性がある
DAOでは報酬としてDAOが発行している仮想通貨(トークン)がもらえます。
だからこそ、DAOを成長させることで、DAOトークンの価値が上がり、儲けが発生します。
報酬は、DAOが発行している仮想通貨を受け取ることが出来るので、全員が頑張りに対する報酬を受け取ることができます。
ここで重要なのは階層構造がないという点。
階層構造がないからこそ「1人だけ多くもらって得をする」ことを避けることができます。

DAOのメリット3.透明性が高い
DAOの一番のメリットはなんと言っても「透明性」にあります。
ブロックチェーンがベースになっているDAOではスマートコントラクトが使われて、データの改ざんやコピーができないように自動的に実行されます。

DAOのメリット4.効率的に稼働する
DAOは会社のような組織ではないので、面倒な手続きが存在しません。
人の関与はありますが、契約はスマートコントラクトによって実行されるため、人件費がかかりません。
処理にかかる時間も短くなります。
例えば、ビットコインでの送金と銀行間の国際送金を比べると圧倒的にビットコインでの送金の方が早いのが事実としてあります。
仮想通貨DAOのデメリット「2つ」
のブロックでは仮想通貨DAOのデメリット「2つ」をご紹介します。
- 分散制と意思決定スピードの両立
- 法律上の問題
DAOのデメリット1.分散制と意思決定スピードの両立
ブロックチェーンのトリレンマをご存知ですか?
「分散制」「スケーラビリティ」「セキュリティ」の両立はできないという説です。
特にDAOで難しいとされているのが「分散制と意思決定の両立」です。
例えば、ルールの変更を提案した場合には、2名による不特定者の意思決定が必要だったとします。
2名の判断で意思決定することができるので、実行までのスピードは早いけれでも、2名の持つ権限が強すぎます。
これでは 「特定の者による独断の意思決定」 と大差ありませんから、この例えの場合はDAOとして存在するのが難しくなります。
また、意思決定は参加者全員で行うので、意思決定まで非常に時間がかかることがデメリットです。

DAOのデメリット2.法律上の問題
DAOには特定の管理者はいないからこそ法律上の問題が多く残されています。
そうです。
管理者がいないので問題発生時の責任範囲が不明瞭というワケです。

IDOプラットフォーム「DAO Maker」

DAOについて分かったところで「DAO Maker」の解説を加えます。
ご興味ある方は読み進めてください。
「DAO Maker」はIDOをするためのプラットフォームです。
IDOは株でいうところの新規株式公開(IPO)です。
他の取引所に上場する前にトークンや通貨を購入できるので、かなり安い値段で手に入れられることがメリットです。
つまり、IDOでドエライ額を稼げる可能性があります。

しかしそんなカンタンに参加はできません。
なぜならIDO前にトークンを購入するには抽選で当選しなければならないので、問題は「競争率」というワケです。
しかし買えたときの利益がかなり大きいので宝くじを買うよりは確実におススメです。
仮想通貨のベンチャーキャピタル「The Dao」
The Daoは自立分散型のベンチャーキャピタルで、参加者の投票によって投資先を決めているという分散型組織です。
The Daoは名前こそ聞きますが、現在はすでに存在していません。
The Dao事件
2016年6月17日、The Daoはハッキングを受け、ICOで調達した約150億円の3分の1に当たる50億円が資金流出します。
The Dao事件の詳細を具体的に解説しますのでご覧ください。
- The DAOのプログラムコードの弱点を見つけたハッカーがThe Daoが保管する資金を別のアドレスへ移動。(スマートコントラクトで残高が更新される前に報酬の送金指示を出したので、約364万ETHもの資金が盗まれました。)
- 資金の流出に気づいたホワイトハッカーが同じ方法で残りの資金を別のアドレスに避難させたことで、The DAOの被害を最小限に食い止める。
- The Daoから移動させた資金は、28日間引き出すことができない仕組みになっており、28日間の中でどう対処するかThe Daoの保有者によって議論が行われる。
- 議論の結果、ハードフォークを行って取引を無効にするという結論に至り、仮想通貨の仕様を変更して、ブロックチェーンの記録をさかのぼってハッキングされた取引を無効にするという結論に至る。

実は事件が起こる前からThe Daoのプログラムの弱点が指摘されていたのですが、軽視して改善をしなかったことがこの事件を招いて、イーサリアムの分裂、組織の解散にもつながっています。
まとめ:仮想通貨DAO(分散型自立組織)は新時代の組織形態
いかがでしたでしょうか?
「仮想通貨(トークン)がDAO」であり「DEXがDAO」であるように、DAOは広い意味で使われることがご理解いただけたと思います。
DAOは高い透明性などのメリットもありますが、課題もあります。
国によって法律が異なるからこそ、中国のように規制する国もあれば、エルサルバドルのように法定通貨として認める国もあります。
法整備が行き届いていないからこそ、成長する余地が残されているという捉え方もできます。
坂本はまだまだ進化していくDAOには注目しています。